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グランドキャニオンの上流に、９４もの峡谷が複雑に入り組んだ場所がありました。その乾いた風景の中に、コロラド川を堰き止めてダムが造られ、世界で２番目の人造湖レイクパウエルが誕生しました。湖の長さは約３００ｋｍ。峡谷は入り江となり、湖岸線はなんと３１００ｋｍにわたって迷路のように続く。満水となるのに１７年もかかったのです。空の青さを鮮やかに映す湖水と、ココアパウダーをふりかけたような色の滑らかな岩肌。その不思議な景観は「猿の惑星」など数々のＳＦ映画の舞台になってきた。
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行き方
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グランドキャニオン・サウスリムからAZ-64を東に走り、US-89を突き当ったら北へ。広大なナバホ族居留区を走り抜け、US-89Aとの分岐点を右折して北上するとペイジに至る。モニュメントバレーからはUS-163でKayentaに出てUS-160を西へ。AZ-98に入ればページに至る。 |
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グレンキャニオン・ダム（Glen Canyon Dam）
巨大なレイクパウエルを出現させたダムは高さ２１６ｍ、幅４７５ｍで、１９５６〜６４年にかけて建設された。ラスベガス郊外にあるフーバーダムに次ぐ規模である。１９３６年に完成したフーバーダムは、西海岸の水資源確保と、大恐慌後の雇用対策のために造られた。ところがロッキー山脈を削り、ユタの大地やグランドキャニオンを削って流れてきたコロラド川は、予想以上に大量の岩石含んでいて、これがミード湖（フーバーダムが造った人造湖）の底にぶ厚く沈殿してしまった。放っておいたら湖が浅くなってしまう。そこでそれを防ごうとグランドキャニオン上流に造られたのがこのグレンキャニオン・ダムなのです。
つまり「グランドキャニオンよりも美しい」と称えられたグレンキャニオン峡谷は、水資源のためでもなく、ミード湖の沈殿物対策のために姿を消してしまった。フーバーダムという環境破壊が招いた、二次的環境破壊とも言えるのです。このダムが出現したおかげで、美しい湖（パウエル）とペイジの町が生まれ、峡谷は消滅した。生態系が変ってしまったダムの下流では今も多くの魚などが絶滅の危機に瀕している。
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ホースシューベンド（Horseshoe Bend）
グレンキャニオン・ダムの下流にある、コロラド川が馬蹄形の急カーブを描いて流れる場所。そのダイナミックな風景は写真家に大人気の場所である。コロラドとは「赤い」と言う意味だが、川の水に含まれる岩石や砂はレイクパウエルに沈殿してしまうため、ここでは緑色の川となって流れている。 |
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最終更新日 : 2008/04/22
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