アメリカ第2の大都会ロスアンゼルスではありますが、公の交通機関が著しく発達しておりません。レールを使ってお客を運ぶ乗り物と言えばRed Line と呼ばれるロスアンゼルス市内の地下鉄がダウンタウンからハリウッドへかけてほんの数駅、Blue Line と呼ばれる路面電車が同じくダウンタウンからロングビーチ市へ22駅、そしてGreen Line と呼ばれる高架タイプの電車がロスアンゼルス国際空港から産業都市ノーウォークへとたったこれだけなのです。以外の交通手段としての路線バスなども貧弱なものです。
普通日本の街は駅ターミナルを中心に集中発展し、駅から目的の場所へと歩く人、駅に向かって歩く人々が雑踏を生み街を形成しています。ところがここロスアンゼルスにはその中心、核となる駅がほとんどないのです。住人の移動手段は車ですから車移動の人達の歩く範囲はせいぜい目的の場所の駐車場から目的の場所までに限られます。ですから道路を移動のために歩く人はほとんどいません。街の中心部であっても歩道は閑散としており、雑踏(賑やかさ)こそが街と思ってしまう日本の人にとっては何と寂しい街だとの印象を持ってしまうでしょう。だからロスアンゼルスのことを世界最大の田舎なんて言ったりもします。ここで日本と同じように徒歩で移動していると奇異に映ってしまいます。「何故歩いているんだろう。ロスアンゼルスでは生活必需品の車も持てないよほどの低所得者」あるいは「何も知らない観光客」と思われ歩いていることが危険に巻き込まれてしまう可能性が高くなってしまいます。ショッピング通り(メルローズやウエストウッド等)は例外として歩く人の少ないロスアンゼルスでは、治安の悪いところはもちろんたとえ良いところでも、歩いての移動はお薦めいたしません。又街作りが車中心のロスアンゼルスはただぶらぶらと歩くことは楽しくもないでしょう。
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